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港区西麻布3丁目17−11 CALM麻布 2階 MAP
ステマ?度はレビュー投稿における「信頼性の低いアカウントの割合」から算出しており、ステマレビューを含む可能性を示す指標ではありますが、ステマ行為を特定・断定するものではありません。
ステマ?度の算出方法について
ぷりんすきー(285)
2024/07/24
六本木駅の近くにあるカフェ 少し奥まったところにあり、初見では迷いそうですがギリシャ大使館の真ん前なのでわかりやすいと言えばわかりやすい場所。 紅茶の種類が豊富でスイーツとも良くあっていて美味しいですね、 食事やモーニング等もある様ですが ティータイムに行ったので今回は食べていません。 予約限定ですがアフタヌーンティー等もあり機会があれば挑戦してみたいですね♪ お値段的には場所代かな少しお高めな設定なので頻繁に通うとなるとちょっと考えますが たまの贅沢な時間と思えば十分ですね。 とは言え地方住みの人間には東京まで出るのが大変なんですが(TT)
IVNO FORTVNA(1)
2024/07/23
店舗に着いたのは、17時過ぎだった。この時間帯は、だんだんと街が夕闇に包まれていく、一日の中で最も美しい時間帯だと思う。その様子を窓際の席からぼんやりと眺めるのが好きだ。窓の向こう側では、大使館の旗が風で揺らめいている。気づけば、辺りで蝉の鳴き声が響いていた。それは夏の訪れを確かなものとして感じさせるものだった。 よく冷えたブリタニアが喉の乾きを潤した。ブリタニアは以前から何度か飲んでいるが、アイスにしたのは初めてだった。シナモンの鼻に抜けるほのかな香りは、やはり何度飲んでも味わい深い。2杯目はモヒートのホットを選んだ。目覚めるようなミントの清涼感が癖になる。器は飲み口の広いエイボンシェイプで、赤を基調とした色鮮やかな薔薇と黄金の縁取りが美しく、英国的な気品に溢れていた。エイボンシェイプは飲む際に器を傾ける角度が小さく、飲み物が口にゆるやか且つ幅広に流れ込んでいった。モヒートのような特有の酸味を楽しむティーと相性が良い。また、口径が広いため、茶葉の香りが優しくふんわりと広がっていく豊かさがあった。 料理は彩り野菜とブラータチーズのトマトパスタを選んだ。最近、何度か食べているボリューム感のあるパスタで、バジルの葉がアクセントになって、その美味しさをより引き立てていた。また、ブラータチーズは内外で味と舌触りが異なるので、それも楽しめる。最後に使用人の気まぐれスイーツを頼んだ。この日のような暑い日にはぴったりなアイスに甘酸っぱいベリーが添えられていた。その甘さと酸っぱさは、夏場の疲労を癒すものだった。そして何より、プレートにチョコレートでCafe Britishと綴った遊び心に胸を打たれた。 英国劇作家の巨匠ウィリアム・シェイクスピアの作品に『真夏の夜の夢』という作品がある。そのタイトルの如く夢のような、そんな真夏を今年はここで過ごせそうな気がする。朦朧とする暑い夏は、まだまだ始まったばかりだ。 -MEMORIAE XI- この日は、檸檬のヴィクトリアケーキを期間限定で出しているという告知を見て訪れた。檸檬と言えば、やはり梶井基次郎のデビュー作『檸檬』が思い出される。高校の現代文の授業で初めて読み、その奇抜さが印象的だった。だが、繊細で丁寧な文章は活字が苦手だった自分にも読みやすく、梶井が生きた時代の京都をまるで共に歩いているかのような、そんな心地になった。 メニューを見ながら、檸檬のヴィクトリアケーキに合う紅茶はなんだろうかと迷ったが、バトラーのアイスを選んだ。どんなシーンにもマッチするシゴデキ執事のようなこの紅茶は、絶対に期待を裏切らないからだ。2杯目はミルキーウーロンのホット。甘いバニラに似たほのかな芳香と輝くような黄金の色味が特徴のティーである。その黄金色は、檸檬の色と似つかわしいものだった。檸檬のヴィクトリアケーキは食べるのが何だか勿体なくて、しばらく眺めていた 。クリームの上に飾られた檸檬の輪切りが綺麗で、ひときわ印象に残った。口にすると、レモンカードの絶妙な甘酸っぱさが身体に沁み渡り、優しく溶けていく。アレンジの利いたその見栄えと味わいは、ヴィクトリアケーキが持つ新しい側面を見せてくれたような気がした。 そして、8月からは「檸檬づくしのアフタヌーンティー」が始まるようだ。檸檬のヴィクトリアケーキは、その次回予告のようなものなのだろう。新しいアフタヌーンティーにも、また時間をつくって訪れたいと思っている。 -MEMORIAE XII-
マンジャロウ(162)
2024/06/22
生ハムとほうれん草のクリームパスタ、スイーツにリトルイングランドのバスクチーズケーキ、紅茶はヴァージンフォレストを頂きました。クリームパスタは濃厚で、バスクチーズケーキは濃厚な上にしっとりとしていてとても美味しかったです。メイドカフェはテレビで見たことしかなく、余り良い印象が無かったのですが、このカフェは秋葉原にある様な所謂コンカフェと言われるカフェではなく喫茶店タイプで、ちゃんとメイドさん達から本格的な紅茶を淹れて頂けて、お食事も美味しかったので、初めてのメイドカフェがCafe Britishさんで良かったです! 追記 英国モーニングも食べに行き、エッグベネディクトとモカを頂きました。エッグベネディクトは食材とソースが渾然一体となり凄く美味しかったです!モカは香りが良く、ブラックが苦手な自分でも美味しく頂けました。珈琲としては珍しくポットで提供していて、コーヒーカップ3杯程頂けます。紅茶が苦手だけど行ってみたい方でも安心出来ると思います。
IVNO NATALIS(1)
2024/06/15
オープンからちょうど3ヶ月目に訪れた。日中の日差しは既に全てを溶かすかのように熱く、ヒヤリとした汗が首筋をつたう。この日は仕事終わりに訪れたが、夏至に近いこともあって日が伸びており、辺りはまだ僅かに明るかった。肌をなでつけるように吹き抜ける生ぬるい風も、この時には少しばかり涼しくなっていた。 新メニューのマサラチャイアフォガードを注文した。ミルクアイスが入った器に自分で調整しながらチャイを入れて飲むことができるようになっている。ミルクアイスの甘さとチャイの絶妙なスパイシーさがマッチしていた。この日のような蒸し暑い一日を吹き飛ばす涼しい飲み物だった。日本の気だるい夏には、ぴったりの一品だろう。食事は、生ハムとほうれん草のチーズクリームパスタ、本日のスープとトーストセットを頼んだ。生ハムとほうれん草のチーズクリームパスタは空腹を満たし、一日の疲れを癒してくれることだろう。また、以前はスープとパンは別々になっていたが、6月からはセットになっており、お得感がある。お洒落に盛られており、パンも工夫がこらされているのでお勧めしたい。 帰り際にレジ横のショップを覗き、新入荷されたパイナップルティーを購入した。茶葉の香りを試香し、その香りの良さに胸を打たれた。パイナップル、ハイビスカス、ラズベリー、チェリー、アプリコット、オレンジ、ヒマワリなどが混ざったフルーティーで、新鮮な茶葉は疲れた心身を癒してくれることだろう。パイナップルの花言葉は「満足感」。密集した実を持つ見た目からつけられた花言葉である。パイナップルティーは味わった人が満足感に満たされる花言葉通りのティーであることだろう。 -MEMORIAE VI- 英国からビアズリーの『アーサー王伝説』の挿絵本が届いた。船便の長い旅を終えた『アーサー王伝説』の表紙は、鮮やかな箔押しの活字に美麗な挿絵が眩しかった。『アーサー王伝説』を鞄に忍ばせると、Cafe Britishに向かった。気づけば、季節は梅雨に入っていた。昼間の土砂降りは全てを憂鬱にさせるような激しさで、大きな雨粒が街全体を飲み込んでいった。夕方には既に雨は上がっていたものの、辺りの空気は冷たく、どんよりとした空色はどこか英国の空を彷彿とさせた。 この日は、新メニューのきのこの煮込みハンバーグと生チョコタルトを注文した。煮込みハンバーグは、柔らかさと歯ごたえが共存した絶妙なつくりだった。コクのある美味なソースはハンバーグの蓋の役目を果たし、そのおかげで余熱が持続してハンバーグに閉じ込められた肉汁が少しずつソースに溶け込んでいく。チョコレートタルトは、チョコレートと生クリームがふんだんに使用されていた。濃厚という言葉がまさに相応しく、ボリュームがあって食べ終わった後の充実感が大きい。紅茶は雨が降って急に肌寒くなったので、リトルイングランドのホット、続いて2杯目はバトラーのホットを頼んだ。この2つの紅茶は、安定した美味しさと香りの良さが好きだ。どんな料理にも合うし、飲みやすいのでお勧めしたい。リトルイングランドは適度な渋みのあるブラックティーで、脂味のある料理と特に相性が良い。バトラーは優雅なコクと茶葉の風味が特徴的なブラックティーで、どんなシーンにもマッチする汎用性の高さが魅力である。 ちなみにアーサー王伝説には、ベディヴィアという名のアーサー王の執事が登場する。円卓の騎士の一人で、彼自身も有能な騎士である。アーサー王の死後、聖剣エクスカリバーを元の湖に還す重要な役割を果たした。個人的には、このベディヴィアという執事兼騎士が好きである。英国の古典に浸りながら、紅茶を片手に夜を楽しんだのだった。 -MEMORIAE VII- この日は、朝から土砂降りだった。予約したアフタヌーンティー「イングリッシュガーデンのアリス」に赴いた。ルイス・キャロルは、アリスとボートの上で過ごした時間をゴールデン・アフタヌーンと表現した。1862年7月4日のことだった。晴れ渡る空の下、このボートの上でキャロルがアリスに話した即興物語が『不思議の国のアリス』誕生のきっかけとなったとキャロル本人が日記の中で綴っている。だが、同日のオックスフォードの公式記録は「激しい雨模様」と記録されている。そう、今日のような激しい雨粒が降り注ぐ日だったのだ。不可解にもキャロルの日記と公式の天候記録が食い違っている。この謎は今でも解き明かされていない。キャロルの日記の日付に記憶違いがあったのか。アリスと過ごしたゴールデン・アフタヌーンは彼が望んで夢見た空想だったのか。ボートの上で過ごしたアリスとの思い出さえも物語だったのか。真相はどうであれ、今日、東京・西麻布は「激しい雨模様」だった。 イングリッシュガーデンのアリスは、キャロルによるアリスの世界観を再現したウィットとユーモアに富んだアフタヌーンティーだった。チェシャ猫の縞模様をイメージしたクロワッサンの紫には何が使われているのだろうと思っていたが、これはサツマイモのパウダーだった。クロワッサンをこうして装飾したものを今まで見たことがなかったので驚いた。作中のトランプ兵をイメージしたハート、スペード、ダイヤの形をしたサラダの具も印象的だった。スイーツはドライフルーツのスコーン、三月兎のクレームダンジュ、Eat Meケーキ、ヴィクトリアケーキと種類豊富で楽しませてくれ、充実感がある。三月兎のクレームダンジュの耳はマシュマロでできており、これが可愛らしく、遊び心が感じられた。紅茶は新しくメニューに追加されたパイナップルを選んだ。フルーティーな美味しさはもちろん、ルビーのような赤みが強い発色で見た目も綺麗な紅茶だった。 ふと窓の外を見ると、来た時よりも雨の勢いが強くなっていた。それは『不思議の国のアリス』の第2章「涙の池」を彷彿とさせた。キャロルはゴールデン・アフタヌーンと評した日より少し前の 1862年6月にアリスとボート漕ぎのピクニックに出かけている。この日は運悪く天気が急に悪化し、彼らはボートの上で雨に降られ、ずぶ濡れになった。やむを得ず、途中でボートを降り、知人宅に駆け込んだという。実はこの時の思い出が、作中の涙の池のモデルになっている。帰り際にもう一度だけ窓の外を眺め、腰を上げた。雨の勢いは、全然弱まっていなかった。それはやっぱりアリスの涙の池のようだった。 -MEMORIAE VIII- 雨降る夜に訪れた。雨のお陰もあって少しばかり外は涼しかったが、湿気の多さにはやはり心が折れた。 新メニューの彩り野菜とブラータチーズのトマトパスタ、冷製スープとトーストセットを注文した。ティーは1杯目にブリタニア、2杯目に新メニューのトフィーナッツを頼んだ。彩り野菜とブラータチーズのトマトパスタは、テーブルに運ばれて来て早々、そのボリューム感ある見栄えに驚かされた。その見た目はモスクやロシアの聖堂を彷彿とさせた。トマトパスタとの相性が抜群で、チーズ好きの自分にとってはこれを超えるパスタはない。大袈裟な響きになるかもしれないが、今まで食べたパスタの中で最も美味しかった。そして、その見た目の迫力にも今までで一番驚き、感動した。歳を重ねるごとに感動という感情が次第に薄れて来ている気がするが、その感動は確かなものだった。冷製スープは、身体に染み渡る。そんな安心感がある。この夏の暑さには、ぴったりである。ティーの1杯目は、お気に入りのブリタニア。いつ飲んでも美味しい、期待を裏切らない安定感がある。2杯目は新メニューのトフィーナッツで、こちらは試香して選んだ。ナッツの風味が香ばしいルイボスティーで、ミルクティーにしても美味しい。 一番奥の窓際の席に座っていた。本を読んで過ごすことが多いが、今日はぼんやりと雨を眺めていた。20世紀の英国の作家アラン・ワッツは「雨音に翻訳はいらない」という言葉を残した。確かに雨音の風情は世界共通。晴れた日にはない静かで少し大人な趣がある。雨音を感じながら飲むティーも味わい深い。雨の日こそ、お茶日和なのかもしれない。そんなふうに思ったのだった。 -MEMORIAE IX- オープンからちょうど4ヶ月目に訪れた。朝から霧雨だったが、動くと蒸し暑い、そんな日だった。今日はフランスの革命記念日で、パリでは盛大な祝祭が行われ、夜には花火が打ち上げられる。1789年の今日、フランス市民は団結し、長きに亘ったアンシャン=レジームに終止符を打った。日本でも身近なメートル法や十進法も、この革命で生まれて世界に普及した。 彩り野菜とブラータチーズのトマトパスタにヴィクトリアケーキを頼んだ。ティーは1杯目にリトルイングランドのアイス、2杯目はバトラーのホットを選んだ。今日のような蒸し暑い日には、アイスティーの冷たさが心地良かった。ブラータチーズは先日食べたばかりだったが、あの美味しさには抗えない。久しぶりにヴィクトリアケーキを食べたが、バタークリームとラズベリージャムが味わい深く、ヴィクトリア女王が好んだ理由にもやはり頷ける。 ところで、フランス革命が勃発するとフランスの王侯貴族は英国に亡命し、彼らはエミグレと呼ばれた。フランスと英国の王侯貴族は縁戚関係にあり、英国は亡命者を匿った。ヴィクトリア女王も1848年革命で亡命してきたルイ=フィリップ1世を庇護し、邸宅まで与えた。遠い地の日本でヴィクトリアケーキを食べながら、悠久の歴史に思いを馳せる。それはなんだか不思議な心地がした。 -MEMORIAE X- さて、文字制限の都合でMEMORIAE(記憶)もここで終わりである。だが、窓際で陽光を浴びながら紅茶を片手に過ごした何気ない記憶の小さな欠片たちは、これから先も胸の内に残り続けることだろう。そして、そうしたささやかな思い出は日々の喧騒で疲弊する心を、きっとふとした時に支え、優しく抱きしめてくれることだろう。
葉月(9)
2024/05/24
以前から気になっていたCafe Britishさん。 『22日~26日まで』《モアクロテッドクリーム》のサービスを行っていると、X(旧Twitter)のお知らせで見掛けたので、予約して来てみました🎶 素敵な内装と、美味しい紅茶にスコーン。 大満足でした✨ 追加でヴィクトリアケーキも🍰💗 お家の近くにあったら毎日でも通いたいくらい素敵な空間と時間を過ごせました✨ また是非来たいです!
ブリヂストンタロウ(1)
2024/05/11
本格的なアフタヌーンティーセットを楽しみたい方には、是非おすすめしたいお店です。 どの料理も手抜きが全く無い、美味しくて見た目も素晴らしい物ばかりです。 紅茶の種類も豊富ですし、店内の雰囲気も抜群です。
Akiko Tomita(1)
2024/04/23
スコーンセットとルビーワインというフルーツティをいただきました。お茶は香りを試してからお願いできるのが良いですね! 外側サクサク内側しっとりした紅茶スコーンの薫りも素晴らしく、追加のお菓子のショートブレッド&タフィーもまさに英国調🇬🇧 静かなBGMに落ち着いた店内、パーラーメイドさんたちも素敵。近いうちにまた、今度はお腹をすかせてからアフタヌーンティーに来たいと思います。
IVNO MONETA(1)
2024/04/15
西麻布の閑静な住宅街に位置する英国カフェ。初めて訪れた日、階段を上がり、ドアを開けた先に広がる非日常に胸が高鳴った。大きな窓から入る瞬い陽光を横目に席へ腰掛ければ、そこはもう19世紀英国。 紅茶のラインナップが驚くほど豊富で、食事もデザートも魅力的。メニューをめくりながら、今日はどれにしようかと選んでいる時間が楽しい。料理や飲み物ひとつひとつにつくり手のこだわりと丁寧さが感じられ、不思議と気持ちが安堵する。特に紅茶は専門店ということもあって、その美味しさと優雅さは格別である。通常メニューに加え、モーニングメニューやカクテルタイムメニュー、さらにはアフタヌーンティーも楽しめる充実の内容となっている。 日常には誰しも煩わしいことや悩ましいことが無数にあることだろう。そんな日々の喧騒を忘れ、特別な時間を過ごすことができる場所がCafe Britishだと思う。英国の文豪ルイス・キャロルの言葉を借りるなら、ここで過ごす時間はGolden Afternoon(黄金の午後)である。 また訪れたい。いつだってそう思わせてくれる、小さな英国。そんな日常の中の非日常を求めて、あなたも一度そのドアを叩いてみてはいかがだろうか。麗しのメイドと執事たちが、きっとあなたを優しく出迎えてくれることだろう。 -MEMORIAE I- その日は遠方に引っ越すことになった友人と夜に食事の約束をしていたが、待ち合わせの前にここに立ち寄った。友人が遠方に赴いてしまうのは、やはり寂しい思いだった。そうしたこともあってこの日は朝からブルーだったが、注文したブリタニアティーに口をつけると、オレンジとシナモンのほのかな香りが鼻に抜け、すっと憂鬱も溶けていくようだった。 友人への送別品は、ここの物販から選ぼうと決めていた。というのも、以前ここでウィンターラビットのティーバーを購入したことがある。印象派のような美しい見た目が胸を打ち、一目惚れだった。見た目、香り、味合い、その全てがきっと優雅で、素敵なティータイムになると胸が弾んだ。同じものを大事なお客様の一人に贈ったことがある。目の前で袋を開けながら、今までこんなに綺麗なお茶は見たことがないと驚いていた。その後、重ねて感動と喜びのメッセージが届き、あたたかな気持ちになった。 ブリタニアティーを飲み終えるまで友人への送別品を何にするか悩んでいたが、物販に立ち寄ると綺麗な箱に包まれた4種のティーバッグが新たに入荷されており、迷わずこれに決めた。リトルイングランド、アマレット、セイロン&キャラメル、ヴァージンフォレストの人気フレーバーの組み合わせだった。 友人は新たな地での、新たな生活にだいぶ思い悩んでいるようだった。たまにはお茶でも飲みながら、ぼんやりと一人で考える時間も必要だと思う。時に、そうした何でもない時間が、自分を勇気づけ、かけがえのない時間に変わりゆくことがある。贈る紅茶がそんな時間のお供になればと思った。 英国の文豪チャールズ・ディケンズの言葉を借りるなら、The pain of parting is nothing to the joy of meeting again(別れの痛みなど、再会の喜びに比べれば、何でもないものさ)。 そう自分に言い聞かせながら、席を立ち、別れの挨拶に向かう。そして、もしこの先再会することがあるならば、その場所はここだったらいいのにと想像するのだった。 -MEMORIAE II- 連休も終盤に差し掛かり、街にはどことなく寂しげな雰囲気が漂っていた。陽が沈み、辺りは夕闇に包まれていく。そんな時間に足を運んだ。日中は真夏のような暑さだったが、陽が沈むと急に肌寒くなり始めたこともあって、ミルキーウーロンのホットを頼んだ。 ここに訪れて、初めてミルキーウーロンの存在を知った。まだ訪れて最初の頃、お勧めの紅茶を訊ねた際に勧めてもらったのがミルキーウーロンだった。ほどよく甘いクリーミーな味わい、ミルクの香りが際立つリッチなウーロンティーで、口に含むと熟した果実が弾けるように広がっていく感覚が訪れる。あの感覚が一度飲んだら忘れられないものとなった。英国式の美しい店内で味わったこともあって、その場の空気感をも伴って自身の記憶に鮮明に刻まれていったのだった。 英国の文豪ラドヤード・キップリングの言葉を借りるなら、What do they know of England, who only England know?(英国のことしか知らない者に、英国の何が分かるのか?)。 きっと日本にいるからこそ、英国の本当の魅力に気づけるのかもしれない。ここは文化も距離も遠く離れた英国と日本を繋ぐ、そんな特別な場所だ。 -MEMORIAE III- ここに最初に訪れた日は、偶然にも1871年に出版されたルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』の初版本が英国から届いた日だった。本書はアリスファンにとっての原点であり、アリスの全てはここから始まった。ガラスケース越しに眺めるだけで、決して触れることのできなかったものが今こうして自分の手元にある。ページを指でめくり、その香りに触れている。小さい頃から夢見ていたアリスの初版本との対面に胸が弾んでいた。そうして初版本を鞄に入れると、以前から気になっていたCafe Britishに向かった。英国児童文学の傑作のオリジナルを、新しくオープンした英国カフェで嗜むなんて最高じゃないか、と自然と笑みが溢れていた。 西麻布の閑静な住宅街に入り、坂を下っていくとCafe Britishの看板を見つけた。純白の看板が眩しく、ひときわ存在感を放っていた。可愛らしい動物たちの置物が飾られている階段を一段一段踏むごとに、楽しみと期待が入り混じる感情が次第に強くなっていった。ドアをゆっくり引くとスタッフが出迎えてくれ、席に案内された。大きな窓から入る自然光が店内を美しく照らしていた。その光景があまりに印象的で、今でも鮮明に覚えている。ベランダには手入れされた植物たちが置かれており、小さな庭となって店内をより一層鮮やかに彩っていた。 最初に頼んだ紅茶は、リトルイングランドだった。「小さな英国」の名がつけられた紅茶で、Cafe Britishのコンセプトを体現していた。紅茶の一杯目はスタッフが入れてくれるのだが、香りが際立ち、飲む前から既に魅せられていた。紅茶の色も、食器も、全てが綺麗だった。口をつけると、上品で優雅という言葉が相応しい味わいだった。いや、言葉なんてむしろ不要なのかもしれない。きっとまたここに来ることになる、そう思った。食事は生ハムのクリームパスタを注文した。生ハム好きの自分には、最高のご馳走だった。初めて食べるはずなのに、どこか懐かく、優しい味がした。美味しい食事と紅茶を味わいながら開いたアリスの世界は、言うまでもなく最高のひとときとなった。 ところで、『鏡の国のアリス』の原題は"Through the Looking-Glass, and What Alice Found There"で、実は日本語版ではかなり意訳されている。キャロルの意図を汲むなら『鏡の向こうで、アリスが見つけたもの』という意味を持つ。この日、自分がアリスの本を通して鏡の向こうで見つけたものは、ここだったのかもしれない。食事を終えた帰り際、出口に続く廊下の大きな鏡を横目に、そんなふうに思ったのだった。 -MEMORIAE IV- カクテルタイムに立ち寄った。この日は、オープンからちょうど2ヶ月目だった。最初に訪れた日に食べた生ハムのクリームパスタ、紅茶はバトラーアカデミーを出ているオーナーの「執事」の名を冠したバトラーティーを注文した。生ハムのクリームパスタは、生ハムの塩味がクリームソースとマリアージュしていて、やはり絶品だった。バトラーはどんな食事にも合うオールマイティーなブラックティーだ。気品に溢れたこの紅茶は、いつだって自分に寄り添い労わってくれることだろう。 ここに来ると、その雰囲気が通っていた学校にどこか似ていて、懐かしさを感じる。英国式の蔦這う赤煉瓦造りの校舎で過ごしたあの頃。足を運ぶ度、校内にあった大食堂を思い出す。20世紀初頭に建設されたノアの方舟を模した大食堂は、漆喰を纏った美しい壁、アンティーク調の机と椅子、大きな窓から射す眩いほどの陽光、そして、床に映る窓枠の影などが印象的で、それらとこの場所が自分の中で重なり合う。また、店内の静かな音楽は、校内のチャペルから響き、教室までかすかに聴こえてくるパイプオルガンの音色を彷彿とさせる。そうしたかつての記憶と重なり、懐かしく穏やかな心地になる。 そうやって穏やかな気持ちで、この場所では本を読むことが多い。だが、ページを開いたと思えば、あっという間に時間が過ぎ去ってしまう。いつだって楽しい時間はすぐに終わってしまうのかもしれない。そう言えば、店内にロシアの文豪トルストイの『戦争と平和』が飾られていた。ナポレオン戦争の戦火で生きる男女のラブストーリーを描いたもので、作中では「生きるとは何か?」という人間にとっての永遠の問いにトルストイなりの考えが反映されている。トルストイは心に響く言葉を数多く残しているが、中でも個人的には「時は過ぎ去るが、一度発せられた言葉は永遠に残る」というものが好きだ。確かに人は言葉によってしか変われない。人は言葉によって形づくられていく。と、そんなことをふと思い出し、帰宅後、本棚の『戦争と平和』を久しぶりに開いてみたのだった。 -MEMORIAE V- さて、文字制限の都合でMEMORIAE(記憶)もここで終わりである。だが、この先も幾人もの人々の新たなMEMORIAEがCafe Britishでは生まれ、ずっとずっと続いていくことだろう。それを陰ながら、けれど誰よりも、心から楽しみにしている。
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